「触っても大丈夫なんですか?」
「はい。手の甲でそっと撫でてくださいね」
DX課の上野山です。
先日、「フクロウの森」というフクロウと間近でふれ合えるお店を偶然見かけました。
興味本位でのれんをくぐってみたのですが――
「ふわっふわ」
つぶらな瞳で想像以上の可愛さに、思わず笑顔になってしまいました。
でも、それ以上に印象的だったのは、スタッフの方がしてくれた説明です。
フクロウは、もともと「森の暗殺者」とも呼ばれる立派な猛禽類。
最初から人前に出られるような存在ではなく、人間に慣れてもらうために、少しずつ時間をかけて距離を縮めていく必要があるのだそうです。
その話を聞いて、ふと新卒で入社したばかりの自分を思い出しました。
何もわからず、何をするにもドキドキしていたあの頃。
まさに「人間界のフクロウ状態」でした。
先輩たちが根気強く、丁寧に接してくれたおかげで、少しずつ職場の環境や仕事にも慣れることができたのだと思います。
気がつけば、私も入社して10年目。
現在所属しているDX推進室は、社内システムや業務効率化を担当する部署で、他の社員と直接関わる機会はそれほど多くありません。
でも、あの頃の自分のように――
誰かの「最初の一歩」が少しでも軽くなるように。
そして、みんながもっと楽に働けるように。
私も裏方の「ITフクロウ」として静かに支えています。
そんなことを考えながら、止まり木を丁寧に拭くスタッフさんの姿を横目に、お店を後にしました。