前回に引き続き管理課 橋本です。
東京農業大学出身です。料理の学校には行っていません。専門分野は今の仕事と全く関係ない昆虫です。ダジャレが大好きです。
さて、読者様にとってはどうでもいい(私にとってはどうでもよくないですけど)前編が長くなりましたが、今回はステイホームの過ごし方ということで、
今回は「おうちで禁断の二郎インスパイアラーメン」の制作過程をお送りします。※前・中・後の中編です
あまり食べに行けないので、家でラーメンを作ってみたいという方の参考になれば幸いです。
禁断ポイントは、ラーメン二郎(直系店)ではまずありえない以下の3点がコンセプトです。
①無化調である
→化調(かちょう)とは旨味成分である精製されたグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸等の化学調味料とよばれるものの総称で、商品でいうと味の素、ハイミー、グルエース、いの一番として売られているものです。これらを使用しないのがいわゆる「無化調ラーメン」です。
ちなみに、「課長」職にジロリアンが多いこととは無関係です(カチョウ・・・ダジャレです)。
ジロリアンとはラーメン二郎(広義ではインスパイア店も含む)を愛する人達です。なお本家二郎ではグルエース(グルタミン酸100%)を一杯につき大さじ1杯(!)ほど使用しています
②鶏ガラ・モミジ・干し椎茸を使用
→鶏ガラ(肉付き)はイノシン酸・グルタミン酸の補填、モミジはコラーゲンによるド乳化仕様を目指す為、干し椎茸はグルタミン酸・グアニル酸の補填で使います、今回あえて昆布は不使用です。
③製麺にオーション(強力粉)不使用
→もうこれ、ジロリアンから完全外道と言われても仕方ないですが、日清製粉のオーション(二郎で使っている強力粉)は基本25kgか3Kgかの選択肢しかないので、5kgとか丁度いい分量で購入できないため無難な国産強力粉(春よ恋)を購入し使いました。使い切れないと駄目になって非常に後悔した経験ありますので(基本は冷蔵庫で保管です。)
ちなみに化調に関しては否定派ではありませんし、使ったほうが旨くなるというケースも多々あるのですが、単に使わないほうが楽しいし達成感を得られるというのが理由です。
二郎の大豚ラーメンに挑戦するときと同じですね。(常に困難に向かって挑戦しよう!)
化調を使うとストレートに味覚に効いてしまう為、単純な味になりやすく、特に繊細な鶏清湯や煮干しラーメンなどのシンプルなスープでは素材のよさがエグみも含めて消されてしまうことも多いです。出汁の良し悪しを検証する際には逆に邪魔になります。
実際、ほとんどのラーメン店では化調を使用していますが、使う理由は殆ど出汁の不足分(旨味成分)を補い品質を安定させることが一番です。
商売だと原価率を考えながらやらないといけないですので必要以上に出汁は濃くはできません。ただ、顧客を離さないためにも同じレベルの味を保つ必要もあります。
それにそもそもスープは生き物ですので全く同じやり方・材料でやっても今日と昨日とでは味は変わります。
そこで科学の力を借りて、化調をINするわけですね。びっくりするくらい味変わりますし同じような味になりますからね、よくも悪くもです。素人が何を偉そうなこと言っているんだって話ですが。商売だったら私も使っているかもしれません。
家ラーメンはあくまで「趣味」であり原価無視できるので、とことん濃い出汁でやれるのが強みです。技術が同じなら採算度外視のほうが美味いのは必然ですよね。なので化調は使う必要がないのです。
後編に続きます・・・