マニュアルに載らないテクニカルの考え方

――営業(アドバイザー)が提案した点検結果よりも被害が進んでいる。お施主様については寝耳に水の状況、あなたならどうお施主様に伝え、どう対応しますか?――

筆を取らせていただきました埼玉営業所テクニカルの井上です。

アドバイザーは営業担当で、テクニカルは工事担当のことです。

最近はアドバイザー業務も(所員に迷惑をかけながら)やらせていただいていますが、入社よりテクニカル業務を続けて4年目になります。
初年度から、その後の人生においても指標になっている考え方をたくさん学ばせてもらいました。その中で1つ、読まれる方にも知ってもらいたい考え方があります。

当社では自分も含め新人がミスをした時、上長は感情に任せて怒るのではなく、相手に寄り添って冷静に叱ってくれます。
その言葉のどこかで必ず「新人がミスをするのは仕方がない」「教える側がしっかり教えられていなかったからのミスなので、新人以上に先輩社員が反省しなくてはだめです」と、おおよそ日本の環境ではあまり縁がない考え方を発信してくださいます。
この考え方が何よりも自分の根幹に根付いておりますし、先輩として何かを教える時は常に意識してほしい事だと痛感しています。

さて、一番初めの質問に戻りましょう。

アドバイザーが点検し、お施主様に現状の報告と施工の提案を行います。
その後、お施主様の希望日程でテクニカルの自分がお伺いし、もう一度住まわれている方のお話を聞いて施工前の点検を行った時です。誰も気づけなかった食害、あるいはアドバイザーが提案していない部分の施工が必要な時、あなたならどうされますか?

自論ですが「手間を惜しむな、その家を自分の家のように惜しめ」だと思います。

被害状況とお施主様のお建物を考えて、本当に必要な事だと自信があれば例えマニュアルにない処理だとしても可能な限り行うべきだと私は考えます。
煩わしく思われるお施主様もいらっしゃるかもしれませんが、逐一【現状がどういった状態で】【何をすべきと考え】【どうしていく予定か】を報告し、ご納得いただけない所は必ず解消してから施工を続行します。
その時に不意に出てくるのが「このくらいならやらなくても……」「ここは別に……」といった誘惑。この誘惑を許容してしまうと施工品質に直結してしまいますし、一度許すと際限なく自分に甘くなってしまうのが怖いところです。

あまり長くなってしまうのも考え物なのでまとめます。

お施主様によって相応の対応があるという前提の下、お伺いする家の1つ1つを長年住んだ自分の家のように想って業務に当たることが自分の仕事の流儀です。
日々の業務が忙しくなろうとも、依頼をいただけるお客様への感謝を忘れずに励んでいきます。

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